デマンドコントローラーは、高圧電力を契約している事業所の最大電力使用量を監視する仕組みのことを指します。30分ごとに計測した最大電力使用量のことをデマンド値と呼びます。高圧電力では、このデマンド値によって基本料金が算出されます。
デマンドコントローラーがデマンド値を制御する方法はいくつかあり、自動的に制御するパターンと、アラームの通知をつけたユーザーが自分で制御を行うパターンがあります。制御することによって最大デマンド値の抑制を図ったり、契約している電力を抑えることが可能です。
最大デマンド値が増えると契約している電力も大きくなり基本料金が高くなります。最大デマンド値を抑制することによって基本料金を低減することに繋がります。
デマンドコントローラーは電気の使用量を監視したり、デマンド値を管理したり記録しますが、システム制御には自動タイプと手動タイプのものがあります。
自動制御タイプは電気機器を自動的に制御することができるシステムで、あらかじめ決められた目標値の範囲内で、電気機器に優先順位を付けその順位に従って、電気機器を自動的に制御するものです。例えば、自動制御タイプのデマンドコントローラーを導入している事業所で、目標デマンド値を超えそうになると、空調といった電力を多く消費する設備から制御を行い、デマンド値を抑制します。手動制御タイプはあらかじめ決められた目標値を超えそうになると、アラームで知らせた後に、ユーザーの手によって制御を行います。
各メーカーによってデマンドコントローラーはさまざまな種類があり、デマンドデータの確認を表示盤だけでなく、パソコンなどで閲覧できたり、メールでデマンド値のレポートが送られてきたり等、いくつか付加価値が付いているデマンドコントローラーもがあります。デマンドコントローラーを選ぶ場合は、空調などの設備を自動制御するかしないか、デマンド値をどこまで抑えるか等の目標値をあらかじめ決めておくと良いでしょう。また、デマンドコントローラーの導入により電気の見える化も進めることができるため、電力を使った日と設備の稼動状態を見ることで、電気の使用の無駄を発見することができたり、効率的に省エネを行うことでコストを低減することが可能です。
一般的に電気量の使用状況は電力会社の明細によって確認することになりますが、電気の見える化によってスタッフなど関係者に対して省エネを意識付けすることができるでしょう。パソコンで簡単に閲覧できたり、スマートフォンにメールで知らせることができるシステムもありますが、過度に制御してしまうと、企業の場合はスタッフや施設を利用する人がストレスを感じてしまったり、業務の効率を低下させてしまう可能もあるので注意が必要です。また、様々なこのようなオプションが付いているデマンドコントローラーは、その分価格も高くなってしまうため、導入前に本当に必要な機能が考える必要があります。悩んだ場合は、デマンド値の監視といった、本来の機能だけ備えているシンプルなデマンドコントローラーを導入することをお勧めいたします。