電力にはいろいろな種類がありますが、一般家庭で利用している電力のほかに低圧電力や高圧電力などがあります。低圧と高圧の違いは契約電力が50kW、未満が低圧で50kW以上が高圧電力となります。高圧電力の対象になっているのは工場や病院、大きなスーパーなど電気使用量が多い施設です。因みに、低圧電力の対象になっているのは数人規模で設備を使用している小規模の事業所など電力使用量が少ない施設です。
高圧電力はキュービクルという変圧設備を設置する必要があります。キュービクルによって6600Vで引き込んだ電力会社の電力を単相100V、単相200V、三相200Vといった、敷地内の各設備に応じた電圧に変えなければ使えないからです。ですので高圧の場合はこのキュービクルといった高圧受電設備を購入し設置する必要があります。ですから、低圧よりも固定費に差が生じることになります。
高圧電力は、低圧電力と同様に、使用料金が割安になるメリットを受けることができます。一方、基本料金についても低圧電力と同様に割高になっています。
高圧電力の基本料金は、各電力会社で30分ごとの使用電力量を測定し、測定月を含め、過去1年間で最も多かった場合は、その使用電力量を基に基本料金を決定する仕組みです。この30分ごとの使用電力量をデマンド値と呼びます。ややこしいですが、デマンド値が過去1年間で最も多かった場合は、今後1年間は、最も多いデマンド値を基にした基本料金未満の金額にならないということです。なお、この基本料金の契約を、実量契約方式と呼びます。
デマンド値は、30分ごとの測定結果のため、普段の使用量が少なくても、思わぬタイミングでデマンド値を超えてしまい、基本料金が高くなってしまうケースがあります。そのため、高圧契約をしている事業所では、デマンド値を監視し超えそうになったら通知する機能、もしくは設備を自動で制御して使用電力量を抑制する仕組みが必要となります。