電力需要の差をなくすことが日本社会の課題の1つ
電力会社が取り組んでいる課題のひとつに、電力需要の負荷平準化があります。
これは、時間帯や季節によって生まれる電気使用量の差をできるだけ小さくしようという方針です。電気は貯めておくことができないため、かならずピーク時に合わせた供給量が必要となります。そのため、ピークとボトムとの差が開けば、コストも多く掛かります。
これは、もちろん電気代の上昇にもつながってしまいます。
高圧電力ではピーク時が高いほど基本料金が高まる
工場などの電力を大量に消費する施設では、高圧電力を使用しているところが多いと思います。このとき、電気の基本料金を決めるもととなるのが最大デマンド値です。最大デマンド値というのは、30分ごとに計測された電力量のうち、月間でもっとも大きくなった値のことです。
基本料金は、過去1年間の最大デマンド値によって決まるため、ほんの一瞬上昇しただけでも、それが1年間続くことになってしまうのです。
このような方式を導入しているのも、電力需要の負荷を平準化するためです。20年以上前からこのデマンド値を抑えるため、電力会社もデマンドコントローラーの導入を推奨しています。
また、2016年4月には、電気料金の適正化を目的に、電力小売りが完全自由化されました。これに伴い、より柔軟な料金メニューの実現と同時に、省エネによる低炭素社会を実現していくため、電力量計を電子化したスマートメーターの導入が、国によって進められています。
エアコンの自動停止で電圧を最適にコントロール
そんななか、注目されているのがネオ・コーポレーションの提供する「エア・コンディショナー・マネージメント・デバイス(ACMD)」です。
ネオ・コーポレーションは、1999年に大阪市淀川区に創業された、電力コスト削減のサービスを専門にあつかう会社で、確かな技術力を持ったスタッフによって、全国でサービスを展開しています。
ACMDは「デマンド監視システム」と「デマンドコントローラー」による高圧電力の基本料金を大幅に下げるためのシステムです。デマンド監視システムは、つねに電力量計をチェックしながら、30分間のデマンド値を10秒ごとに予測します。この予測デマンド値が、設定した目標デマンド値をオーバーしそうになると、デマンドコントローラーによって、エアコンのコンプレッサーが自動停止されます。
エアコンは一時的に稼働を止めても問題はありません。しばらくは、それまでに温度調節された空気が室内機で送風されるので、快適に過ごすことができます。その後、目標デマンド値を超えない予測デマンド値が出ると、ふたたび運転が始まります。停止と再開については、エアコンごとに優先順位を設定しておくこともできます。この仕組みによって、電圧は一定に保たれるようになります。
つまり、最大デマンド値による基本料金の上昇を防ぐことができるわけですね。
ACMDの導入によって、どれくらいのコスト削減効果があるのか
大規模な工場を必要とする製造業では、業務用エアコンの台数もかなり多くなります。しかし、その一方で、必要以上に室内を冷やしすぎているケースもあります。
ACMDをスーパーに導入した例を見てみましょう。スーパーは、売り場はもちろん、作業場にもエアコンが必要な業種です。多くの業務用エアコンが作動しているので、大型店はもちろん、中小規模の店舗でも十分に効果を発揮することができます。基本料金を34万3,258円から30万9,707円まで減らすことができたケースがあり、1ヶ月あたり3万3,551円のコスト削減になっています。
ほかにも、老人ホームやゴルフ場、ボーリング場、ホームセンターや運送業などでも、大幅なコストカットを実現しています。